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【微ネタバレ注意です】
長文注意です。

【あらすじ】
男子高校生のゲイカップルだった迅(しゅん)と渚。大学卒業前に渚は迅にいきなり別れを告げます。
出会ってから13年後、ゲイだとバレるのを恐れて田舎で自給自足生活をする迅の元に渚が子連れで現れます。
渚がバイだと知らなかった迅は戸惑いますが、子供を追い返せず家に泊めます。
渚と迅、娘の空、3人で暮らしながら、渚は嫁と親権を奪い合い裁判を起こします。

企画・脚本はアサダアツシ氏。
放送作家でデビュー作はあのウゴウゴルーガ!
10年以上前、チャトレやってた友達がアイコンにしてておじさん達の食いつきが異様に良かったあのウゴウゴルーガです。
……ごめん、私も世代じゃないです。

プロデューサーはみんな大好き「勝手にふるえてろ」でおなじみ(?)メ〜テレ代表横井正彦氏。
企画制作はメ〜テレだそうで、アサダ氏曰く「名古屋は日本のA24!」(まじでか)

監督は「愛がなんだ」の今泉力哉氏。

この局地的ロングランの空気は「この世界の片隅に」とか「時をかける少女」みを感じます。

映画としては特にめちゃくちゃ新しい!とかよくできてる!ていうものでは無いと思いますが、個人的に原作が漫画や小説では無いっていう点がかなりポイント高い。

昔はキャストがミスマッチすぎる実写映画にいちいち目くじら立ててたけど、次の年に売りたい俳優がすでに決まってて、それに合った漫画を探してきて作られてるって知ってから、もうどうでもよくなったよね。

アサダ氏も言ってるとおり、腐るほどある「マイノリティカップルが主役の映画」には無い要素を入れようと試みたってことで、2人の人生というより、2人が周りに与える影響を描いているところがいい。

子役の演技が上手く、いかにも大人が言わせてるな〜ていうご都合主義の寒いセリフも見てられました。偏見かもですが、テレビの放送作家出身らしいあざとさ!

渚は優柔不断で糞ですが、よく言えば人間味がある…のか???
おめーに振り回されるこっちの人生なんなの!?とずっと思いながら見ていた……。誰目線。

舞台挨拶付き上映を見るのが好きなのですが、舞台挨拶のいいところは、裏話が聞けるところ。
シャイなので、人前で喋ろうとするとそれこそ勝手にふるえてろ(これ言いたいだけ)ってなるのですが、内なる守銭奴が「同じお金払って関係者に話しかけるチャンスがあるのに手を挙げないなんてばかなの?」と言ってくるのです。

女弁護士(※見るからバリキャリな戸田恵子)が嫁を「これこれこういう理由であなたには子供を育てる能力が無い!」と責め立てる(責めているわけでは無く裁判に勝つためなので仕事なのですが)のがいかにも女の戦いみたいで見てられなかった。
あの配役やシーンの裏設定があれば教えてほしい、と尋ねました。

戸田恵子には子供がいなくて、弁護士としてやっていくには女性性や子供の優先順位を下げなければいけない場面が多々あって、今の地位を確立するまで過去に自分が言われて辛かった事をフリーランスの嫁にぶつけているんだ!
※ここまで私の妄想

アサダさんの答えは、私の聞きたかった答えとはちょっと違ったのですが、嫁がなぜあんなLGBTへの偏見に満ちたようなおじさん弁護士を選んだか、渚が女性の弁護士を選んだか、渚が弁護士を探す時、最初に入力する検索ワードはこれだろうからトップヒットはこの人だったんじゃないかな、みたいな裏設定が一対一で聞けるの、あー舞台挨拶の特別感て最高………。

一応ファンタジーみたいなハッピーエンド(?)なのですが、最初の案のリアルなバッドエンド版も聞けました。
わかる〜もしこれが胸糞韓国映画なら容赦なくそうなるよね〜!ていうか胸糞映画見すぎて私もその展開かと一瞬焦ったわ〜〜〜
そうならない、できないところが邦画のいいところでも悪いところでもあり…。

映画あるあるの指南役ポジのじーちゃんが「人生は出会った人の影響で変わっていくのがいいところだ」(意訳)みたいなこと言うのですが、監督や脚本家やキャストは、ほんと最近はSNSで繋がってるんだな〜と改めて思います。

深夜によく鬱ツイートしてるからおもしろいなーってたまたまフォローして?インディーズ撮ってた頃の監督の映画の感想呟いたら、リフォローされて?そっからDM送り合う仲になり仕事繋がって?…とかって、それで1本の作品が出来上がるってすごくないですか?ね?

アサダさんはそんなつもりで言ったんじゃないんだろうけど、当たり前なんだけどLGBT関係なく、みんな影響受け合って人生変っていくのって面白いな、って感じました。

hisは彼的な意味もあるけど、historyの途中なんですって。彼らだけじゃなく、ゲイカップルの周りの人たちのhistoryでした。

アサダ氏が昔2丁目で飲んでた時に「自分たちのような人間が幸せになる話を作って!」て言われて、そのことがひとつのきっかけでもあるそう。
10年以上前のことだそうなので、今よりもっとマイノリティな世界だったはず。
幸せになれたのか、っていうのは個人的には疑問ですが、体温が上がる映画でした。
ヘテロセクシャルの自分が言っても全く説得力無いけど、何の先入観も無く見て欲しい。

ちなみによく引き合いに出されてる「バイバイ、ヴァンプ!」もマイノリティの映画らしいのですが、酷評されすぎてて切ない…。
よくある「Googleユーザーの○%がこの映画を高く評価しました」ってやつ。6%やで。6パーて何。

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