DUNE/デューン 砂の惑星

1年近い延期を経てようやく公開!
いわく付きの古典SFの映画版(の序章)。まだ始っちゃいねえよ!

【あらすじ】
リンチ版から37年。伝説のSF大作のリブートはドゥニ・ヴィルヌーヴに託された。
コンピューターが無い遠い未来の宇宙の覇権をめぐる叙事詩。

【感想】
起承転結で言えばせいぜい承くらいまでしか描かれておらず単体の映画として評価しづらい。
2時間半で原作第一巻の半分くらいまでしか進まないので、ほとんど盛り上がらずに終わっちゃうんですよね。
登場人物もようやくそれぞれの目的や運命が見えてきたところでエンドロール入っちゃうのであまり印象に残りません(事前に予知夢によるネタバレはありますが)。
見た目のインパクトを無視したらこの映画の中でちゃんとキャラ立ってたのってジェイソン・モモアくらいじゃないですかね。次点でレベッカ・ファーガソンかな。
上映時間の割にみんなキャラが薄いよなぁ。
ストーリーを楽しめるか、キャラクターが魅力的かの判断はパート2観るまでお預けですね。まだ制作されるかどうかも決まってないけど。

映像はさすがヴィルヌーヴと言いたいところですが、いかんせん舞台となる惑星が3つくらいしかないうえにそのほとんどが砂の惑星なので正直ちょっと退屈。後述しますが撮影にも残念な点あり。
美術はクオリティは高いんだけどSF大作にしてはキッチュさや可愛らしさが足りないと思います。良くも悪くも小綺麗で洗練されてるな〜という感じ。
ホドロフスキーやリンチまで行くとやり過ぎだけど、もう少し尖ったところが欲しかった。
音楽も作品の雰囲気に合わせたのかもしれませんがちょいと地味。
れっきとしたスペースオペラなので「ポールのテーマ」とか「ハルコンネン男爵のテーマ」とかもうちょっと分かりやすい曲作りをしても良かったんじゃないかと思います。

長い延期でいやが上にも期待度が高まってたのもあってか若干肩透かしを食らったかなというのが率直な感想です。
ただ本当に序章に過ぎないので後編観ないとなんとも言えないですね。
個人的にはヴィルヌーヴ監督はもっと規模の小さい映画の方が向いてると思うんですが、せっかく公開まで漕ぎ着けたのでぜひパート2以降も撮ってほしいところです。

撮影は新規格のIMAXデジタルカメラで行ったそうですが、なんか画質悪い気がしました。
技術的なことはよく分からないんですが、新しいIMAXカメラだと撮影素材が4Kくらいなのでフィルムカメラや他の高性能なデジカメと比べるとどうしても完成版の解像度が低く見えるっぽい?です。
たしかにスクリーンの上下いっぱいに拡がるシーンの迫力は凄いけど画質落としてまでやらなくてもいいのでは?と思っちゃいました。
シネスコでも十分に映える画作りしてたと思うのでなおさら。
ただし縦横無尽に砂漠を飛び回るオーニソプターのシーンはフルサイズで良かったです。
オーニソプターちゃんに萌える映画としては100点満点でした。
次回はサンドワームの活躍にも期待。

4 comments to “DUNE/デューン 砂の惑星”
  1. みんなこの作品に突撃して返り討ちにあってますね。
    まだまだ小説の方が上というか、砂の惑星ってのが難しいんだろうなぁ………
    一応次回作決定!と言ってたけど大丈夫かなぁ。

    • 賛否はあるものの現状最も成功したデューンの映像化作品であることに疑いの余地はないですね。
      これといった山場を持ってこずに一作目から話のど真ん中で終わらせるのはかなり挑戦的だと思いましたが。
      パート2の後は原作二巻以降を映画化する構想もあるそうです。

    • 色々と偉そうなこと言ってますがなんだかんだ楽しめたしパート2も楽しみなんですよね。
      原作読むと長くて古い作品を忠実かつ現代風にアレンジも加えながら映画化することに苦心してるのが伝わってきますね。

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