スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

【ネタバレ注意】
1977年がもう遠い昔…
42年続いたシリーズをすべてではないにしろ本当に終わらせてくれました。
とりあえず空中分解しなくて良かった😌
8で監督が変わって9で急遽7の監督に戻るという謎のリレー方式だったので本当に収集付くのか?と心配でしたが、かなり強引な手を使って完結させてます。
8と9の間の0.5話ぶんくらいのエピソードをオープニングクロールと冒頭5分で早足に説明するという方法で。
「死者が喋った!」の一言で観客に皇帝の復活を納得させざるを得ない監督の必死さが伺えておかしいやら切ないやら…

前作ラストで両陣営とも軍としてバラバラになりこれからどう決着を付けるんだというところに前シリーズのラスボス、皇帝パルパティーンのゾンビとデススターと同程度の破壊力を持つスターデストロイヤーによる無敵艦隊を登場させるという「ぼくがかんがえたさいきょうのスターウォーズ」的な展開を公式でやってしまいました。

レジスタンスは味方サイドの主役3人の活躍もあり皇帝とスターデストロイヤー艦隊の居場所を突き止め、総攻撃をかけます。
多勢に無勢でしたが、先の大戦の英雄、ランド・カルリジアン将軍が直接声をかけまくった結果、無数の民間船が銀河の自由と平和のために駆けつけてくれました。
前作でレイアが銀河中に助けを求めてもルークの幻影しか来なかったはずだけどレイア姫は稀代のイカサマ師より人望が無かったのか…
とにかく、仲間がやってきて敵艦隊を壊滅させてめでたしめでたし。
まあ大局的な戦闘なんていままでの作品でもこんな扱いでしたよね…

それよりみんなの関心事はレイと、カイロ・レンことベン・ソロ(スカイウォーカー)の行く末でしょう。
もうライトサイドに帰還できないと絶望したベンはレイと二人で皇帝を倒して共に銀河を支配しようとしますが、レイアの呼びかけに動揺したのと実力差のためにレイに完全敗北。
心の中で父と和解しライトサイドに帰還します。
一方レイは自分の中のダークサイドが力を増していることを恐れます。
さらに皇帝と対峙し、自分が皇帝の実の孫であるという驚愕の事実を告げられます。
そなたのせいで味方が死んでいる、剣を取って余を倒せと唆されいよいよ闇堕ちかと思われたところにライトセイバーとイカしたローブを捨てたスウェット姿のベンがブラスター片手に駆けつけます。
なんやかんやあって皇帝倒して二人は別れのキスをして終了。
レイを生かすためにベンは消滅。

最後ルークとアナキンの故郷タトゥイーンで通りかかった老婆に名前を聞かれたレイは“レイ・スカイウォーカー”を名乗る。
フォースのテーマ、双子の太陽、ワイプ。
チャッチャラッチャラッチャラララ♪
Directed by J.J. ABRAMS

ディズニー三部作はベン・スカイウォーカーの心の旅を描いた作品としては良かったと思います。
キャラクター造形はさることながら、アダム・ドライバーの演技が素晴らしい。
フォースの覚醒でのハン・ソロとのやり取りの再現も前回との決定的な違いを見事に演じ分け、カイロ・レンからベン・ソロへの帰還を表現しています。
ピンチに陥ったレイの元にボロボロのトレーナーで駆けつけるシーンは笑っちゃうけどカッコいい(笑)
最期笑顔を見せて消えるのもジェダイの帰還のアナキンと被ってエモいです。
直前に唐突なキスシーンがあるのでそれでニヤニヤしてるように見えなくもないのが残念ですが。

レイのキャラクターも悪くはなかったと思います。
正体はベタ過ぎて逆に無いだろうと思っていた皇帝の孫でしたが、不思議とチープな感じはしません。
(皇帝復活はチープを通り越してもはやギャグですが)
ルークやアナキンよりさらに複雑なバックグラウンドのキャラクターを完璧では無いにしろ無難に描けていたと思います。

しかし主演二人は良くても他が色々と残念。
メインキャラのフィンとポーは最初こそ良かったものの結局キャラを掘り下げられないまま終わってしまいました。
そしてメインキャラを掘り下げられないのにどんどん新キャラを登場させる方針には首を傾げざるを得ません。

旧作キャラの扱いも納得のいかない瞬間が多々ありました。
7〜9はオリジナルとは別物でパラレルワールドなんだと思った方が精神衛生上良いと思うくらいです。

ストーリーはリレー方式だったのもあって行き当たりばったり感しかないです(笑)

映像と音楽もルーカス時代のような完璧なハーモニーを奏でていないのが非常に残念。

ただ、色々と穴があってがっかりさせられることが多かった新シリーズでしたが、最後の最後でEP8の未だかつてないクリフハンガーエンドから何とかして終わらせた職人的仕事は評価すべきかな〜と思います。

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