宮本から君へ

ぶつかり合う愛(エゴ)と愛(エゴ)。
絶対に負けられない戦いにただの男?が立ち上がる。

【あらすじ】
文具メーカーの営業マン宮本浩(池松壮亮)は、営業スマイル一つできない不器用な人間だが、正義感は人一倍強かった。会社の先輩だった神保(松山ケンイチ)の仕事仲間・中野靖子(蒼井優)と恋に落ちた宮本が彼女の自宅に招かれた日、靖子の元彼・裕二(井浦新)が姿を現す。宮本と寝たと話す靖子に激怒した裕二に、宮本は「この女は俺が守る」と宣言する。

【感想】
主演二人の絶叫が凄まじい!!
これでもかという絶叫の応酬で清々しいくらい笑

もちろん絶叫演技だけの映画じゃないです。
時折狂気をにじませながらがむしゃらに突っ走り、涙を流す宮本の姿には「うわぁ…」と引いちゃうのと同時に握った手につい力を込めてしまいます。
蒼井優は幸薄いとかいうレベルじゃない靖子のあらゆる感情を全身を使って体当たりで演じています。
靖子も靖子で宮本とは違った苦悩とエゴむき出しの気迫があって圧倒されます。
靖子が苦しんでる場面は(ほとんどがそうですが)観ている側まで苦しくなってきます。

R指定なので思わず目を背けたくなるシーンや逆に指の隙間から覗き見たくなるようなシーンもちらほら。
露悪的とまでは行かないけど役者の本気さに負けない生々しさ。
滅茶苦茶痛いシーンも😨

重たい話ですがお涙頂戴の悲劇的なストーリーではありません。
壮絶な体験の末に常人には辿り着けないような二人の関係が出来上がるお話です。
宮本や靖子の言動に共感できるかドン引きするのかは感想が割れるところでしょう。
個人的には宮本の思想は危険極まりないと思うけどなるほどと思うところもあるかなぁ…

しかしなんと言っても池松壮亮と蒼井優の絶叫!流血!
一歩間違えばギャグ、いやむしろサイコスリラー。
絶妙なバランスの上に成り立っている映画です。
でもこのバランス感覚のおかげでただの辛気臭い映画やネタ映画ではなく、前向きな成長の物語に仕上がっているんだと思います。
痛みは残るけど暗い映画ではありません。

エンドクレジットでは宮本の絶唱が聴けるのでちゃんと最後まで観ましょう!

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